2016年1月号「16-30%」

病院で看護師をしていた頃、よく大晦日の夜勤にあたりました。24時間働くのが看護師の定めですが、今はもうしません。それでも昨夜夜勤をしてみようと思ったのは、初めてバンクーバーにあるホスピスで働く機会に巡り合ったからです。

まずホスピスとは余命6ヶ月と宣告された方の為、主に治療よりは緩和ケア、つまり痛みのコントロール、ご本人家族への心理的支えをする場所です。このバンクーバー一帯にホスピスまたは緩和ケアの病棟を持つ病院は限られます。カナダ全体でも緩和ケアを受けられる方の割合が16-30%で、その他多くの方は病院で亡くなります。

昨夜夜勤をしたホスピスにはベッドが6床のみ。20床の外科病棟で働いていた私には物足りない感じですが看護の内容が全く違います。痛み止めをどんどん使用し、患者のComfortが優先です。昨夜は6人中2人、亡くなりそうな方がいました。その内お一人はその前の日まで歩いておられた方です。今はベッドに横たわり反応もほぼしません。それでもその方の肩に触れるとニコッと微笑を浮かべられました。素敵な人生を過されてきたことがわかりました。

久しぶりに「死」に間近に触れ、生きていくことの意味、そしていつかは病気と診断されたり、余命を告げられたり、体が自然に弱っていくことについて改めて考えました。私はどうもホスピスでは働けそうもありませんが、少なくても看護師として現場からもっとニコニコ幸せに生きぬく意味について問題定義をしていこうと思いました。志は高いのみです。今年も宜しくお願いいたします。(続く)

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