2013年6月、「Vancouver Home Care Network」の前進となるイキイキ老後推進委員会が、カナダ、バンクーバーにて発足しました。カナダBC州の日本人介護士、看護師が中心となり、カナダという全く日本と違う医療システムを持つ土地において、日本人がイキイキと年を重ねるた為になにができるのかと考え、毎月1回の勉強会が始りました。2年間の活動を通し、延べ500人の方に勉強会に参加して頂き、カナダでの医療や介護、老後の過ごし方について検討してきました。その結果、皆さんからカナダで「家で亡くなりたい」、その為にも是非経験ある日本人介護士さんを在宅に派遣するシステムを作って欲しいという、強い要望が聞かれました。この強い意志が石(塊)となって、Vancouver Home Care Networkが2014年10月に発足しました。始めは主に皆さんの情報交換の場としての役目が強かったですが、徐々に強いニーズにお答えするべき在宅介護サービスの事業へと進化してきました。そして2016年5月名前を「ニコニコホームケア」に変更しより親しみやす「ニコニコ」のもと、訪問介護と地域の健康教育(勉強会)を主体に、バンクーバー地域の保健ネットワーク強化を図ります。

カナダの医療は無料と言われますが、実際には毎月MSP(Medical Service Plan)代としてお金を支払います。そして病院のサービスにお金を支払いませんが、退院の時処方箋を受取った時から全てが有料になります。合わせて、カナダには日本のような介護保険はありません。それでも一人で暮らす手助けの必要な方には、最小限のヘルプが支給されます。このヘルプは統一されておらず、地域ごとにサービスの内容が違います。そして、この最小限のサービスには掃除や洗濯、買い物など私たちの身の回りに必要なことが含まれません。結果として、このようなサービスが必要な人は、個人でプライベートの会社に委託することが必要です。しかし、そのお金がない人は生活に制限のあるまま、いずれ家で転倒を起こし病院に運ばれて亡くなります。そうやって運ばれてくるお年寄りを何度もカナダの病院の現場でみてきて、それが本当に老人の最後の送り方かと疑問に思いました。

日本人の介護士さんを日本人のクライエントにご紹介するのは、もちろんコミュニケーションがとりやすいこともありますが、それだけではありません。温かいご飯にお味噌汁を作ってくれることも大事ですが、日本人の「真心、気配り、思いやり」を日本人介護士が持っているからです。与えられた仕事をいかに効率良くこなすかが大事なのがカナダ流。日本流はそれを丁寧に確実に行います。介護は人と人の付き合いです。気配り、暖かい言葉が人を救います。思いやりのある介護士が家に来てくれるだけで、生活の質が変わります。よって日本人介護士がお手伝いすることで皆さんの生活の質がより良くなることを確信しております。ノースアメリカ唯一の日本人により訪問介護会社としてより質の向上を目指し、クライエントと介護士間、医療者間、カナダアメリカと日本のネットワーク拡大を目指して日々精進しております。
阿部山 優子
BC州Registered Nurse、Master in Education
大学医学部保健衛生学科看護学専攻卒業で武蔵野日赤病院内科で看護師とし働く。その後カナダ、ケベックのラバール大学教育学修士号(Health Promotion)終了後、カンボジア国で公衆衛生隊員として村で保健指導を2年間行う。日本の大学で国際地域看護リサーチを経て、バンクーバーに10年前に移住。カナダのRNとして急性期病院にて内科外科看護に7年間従事。同時に地域での緩和ケア、外科的治療、介護士のスーパーバイザーとして経験を積む。Vancouver Home Care NetworkのOperation Manager後、現在はNikoniko Health Inc.代表として、初期介護相談、ケアプラン作成、介護士の教育に従事する。カナダのElder Planning Counselor取得し、カナダの老人スペシャリスト。
私は看護大学の4年生(21歳)の時、教授に将来の夢を聞かれ「年をとったとき、生きていて良かったと思って死にたい」と答えたことを鮮明に覚えている。それはきっとその時教授にたくさん笑われたからかもしれないが、それから20年経つ今も、その気持ちは変わっていない。

人は将来何になりたいとかという希望があるものだが、私は漠然と幸せに死にたいと思っていた。そして何が自分を幸せにするかはいまだに良くわかっていない。ごく普通の家に育った私はごく普通の道を進むものと思っていた。つまり私の両親と同じ様に、いづれは主婦になり、子供を育て、だんなさんの帰りを待つ、普通の家庭だ。

しかし、私は全く逆の道を歩んでいる。カナダで正看護師になり、だんなも子供もいない。そうするとカナダの看護師としてなんとなく退職を待つよりも、今自分にできることをすることが良いと思えた。7年間のカナダの病院経験を通して思うことは、みんな病気、老い、死への意識が低すぎる。

長く同じ病棟に勤めると、同じ患者さんが定期的に戻ってくる。大体が同じ理由で戻ってくる。ある時おじいさんに3ヶ月前に入院していましたね?と聞くと「そう」とうなずく。「何故また病院に戻ってきたのですか」と聞くと、「家で1人で暮らしている時に転んでしまった」という。「お子さんはいませんでしたか?」と聞くと、「子供たちは忙しくてめったに会わない」という。もちろん介護士を家で雇うお金など無い。そんな独り身の老人でも一旦病院で症状が安定すると、直ぐに退院することを強いられる。もちろん、誰も待っていない家に帰るわけなので、いつまで自立して生活していられるかはたかがしれている。

そこが私のターニングポイントだった。このように3ヶ月毎に戻ってくるお年寄りの看護を病院の中だけでするのではなく、自立していきいきと生きる老人を増やすことに自分の力を使いたいと考えた。老人への多大の思いは自分も今後1人で生きていく可能性が高いと思うからであろうか。あとは幼少時より普通の家に育ったと言ったが、父はサラリーマンで朝の7時から夜の12時まで家にいなかった。親の愛情を得ていたようで、実は寂しかったのかもしれない。寂しいから1人でいる人をみると何とかしなければと思ってしまう。

私のこのカナダでの挑戦は3つである。
1.「医療も介護も無料」と思っている人々にそうではないことを伝えること。
2.自分で人生をコントロールする姿勢を持つこと。
3.型にはまらないこと。

そうでなければ、きっとここでは老人は寂しいまま、病院にも居れず、家では1人、お金もないから最低の生活を過ごすことになってしまう。本当に人生の最後を締めくくるのに、そんな終わり方で良いのであろうか。

人は必ず老いて、何時か亡くなる。その日までいきいきと生きれるよう、自分を鍛えておくことが大事である。そうすれば、「生きてて良かった」と言って死ねるような気がする。明日の私は今日の日の選択の結果である。毎日自分で人生を選んでいるならば、もっと選択に責任を持たなくてはいけない。
  • 【社  名】
    NIKONIKO HEALTH INC.

  • 【屋  号】
    NIKONIKO HOME CARE

  • 【住  所】
    320-6669 Telford ave, Burnaby, BC, V5H 4A1

  • 【開  始】
    2016年5月1日

TOP