日本での介護施設視察を終えて
2月半ばに日本のグループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所、サービス付き高齢者向け住宅を見学させて頂きました。グループホーム施設長曰く、今後はもっと認知症に対応するグループホームが増えて地域の中学校と同等数になるとのことでした。実際調べてみると2018年の統計で全国の中学校数が1万222校に対し、グループホームは1万3千以上と既に上回っていました。要するにそれだけ地域で必要なサービスとして認識されているわけです。
これに対しカナダの認知症のグループホームの数は私の知っている限り0です。だからこそ、今私達が作ろうとしているグループホームが正しい道であると改めて確信しました。加えて、本当に日本の介護サービスには沢山のOptionがありました。誰もが望む、出来るだけ住み慣れたご自宅で過ごすという壮大な生きるテーマに対し、デイサービス(通い)、訪問、泊まりを上手に合わせることで、ほぼ最期までご自宅で暮らせる仕組みがあります。小規模多機能の利用者の39%が独居であり、週に2日お風呂に入り、食事を通所で頂くことで、夜はご自宅で過ごすという自立した生活が出来ています。
なんと素晴らしいシステムでしょうか?これに対しカナダではご自宅で生活がすることが難しいと判断された時に、では施設に入りなさいよ、と言ってきます。中途半端な「通い、訪問、泊まり」のサービスしかなく、その方らしい=生きている実感を持った生き方を総合的に支援していません。改めて私達が描く「理想の介護」まで、道半ばおろかまだ入口にも達していないと気づきました。だからこそ日本のような複合型介護サービスを実践し定着させることが私達の一生をかけたミッションです!それにしても場所は違えども日本でお会いした利用者の笑顔や事業者介護者の頑張りは同じでした。皆さんに「カナダから来ました」と言うと目を輝かせて喜んで下さった事がとても印象的でした